書評・感想

『脳とトレード 儲かる脳の作り方と鍛え方』 投資と感情の関係を丁寧にまとめた良書 書評・感想027

書評・感想27冊目は、リチャード・L・ピーターソン著の「脳とトレード 儲かる脳の作り方と鍛え方」です

脳科学の観点から、投資と向き合った本です。

投資のテクニックがわかるような本ではありませんが、投資に重要な「感情」を
どのように捉えれば良いのかが、丁寧にまとめられている良書です。

この本をおすすめしたい人

投資は既に始めているけど、なかなかうまくいかないと感じている人におすすめです。
投資は取り組んでみると、想像以上にメンタルが重要だということがわかります。

本書は、メンタル部分がどのように投資に影響を与えているか、ということを
脳の働きから解説しています。

メンタルの重要さが具体的に理解できるとともに、メンタルをどのように
鍛えれば良いのかを、まとめてくれています。

内容が少し難しいので、誰にでもおすすめ!!とは言えないのですが、投資で
少し壁に当たっていると感じる人はぜひ読んでみて欲しいです。
(内容的にはおすすめできますよ!!)

おすすめ度 3.5

本の内容

目標の立て方

同じような結果を手にしたとしても、結果に対する感情は、その人の立場によって違います。

例として、オリンピックのメダリストの顔写真を見せて(何メダルをとったかは伏せて)、
最もプラスの感情を示している写真を選んでもらうという実験を行ったところ、

金メダル>銅メダル>銀メダル

の順で、プラスの感情を示しているように見えたようです。

銀メダルよりも銅メダルをとった人の方が、よい表情の写真で写っているんですね。

これはなぜかと言うと、銀メダルの人は最後の試合で負けているため、
自分より上にいる人が比較対象になります。

一方、銅メダルの人は最後の試合で勝っているため、比較相手が自分が勝った相手に
なるため、相対的に満足感が高くなっていると言われているようです。

これは、投資についても同じことが言えます。

投資パフォーマンスの絶対額や、他人のパフォーマンスを比較対象としてしまうと、
比較対象に及ばなかったときに、マイナスの感情が発生してしまいます。
(仮に投資成績がプラスだったとしても!!)

一方、「投資における意思決定プロセスを向上させる」のような自分の内面に
ベンチマークを置くことで、他人との比較によるマイナスの感情から逃れることができます。

それにより、常にモチベーションを保ち、成長を続けることができます。

自信過剰を和らげる方法

自信過剰になると意思決定を誤りやすくなるため、投資をするにあたっては、
自信過剰に陥ってしまいがちな、自分の感情を管理する必要があります。

一方で、投資家にとって、自分の手法に対して強い自信をもつことは大切な要素です。

適度な自信を持つためには、謙虚さを持ち続ける必要があります。

謙虚さを保ち、自信過剰を和らげるために有効なことを、本書では2点あげています。

・知識を高めること
・投資日誌をつけ、過去の誤った判断について定期的に見直すこと

特に後者の投資日誌については、自身の行動を顧みることで、過去の誤った判断の
パターンを見つめることができます。

自分の誤りと向き合うことで、謙虚さを保つとともに、誤りから学習することで、
投資家としてもレベルを上げることができます。

投資理論と直感

優秀な投資家はさらに一歩進んでいる。投資のさまざまな面について、自分の感情に注目するのだ。

投資の成功条件でおく言われるものとして、
投資ルールを理論的に構築し、ルールを遵守すること
があげられます。

つまり、投資とは論理的な行動の積み重ねによって、成功に到達できるわけです。

それはもちろん正しいでしょうが、本書では感情に耳を傾けることの重要性を説いています。

かの有名なジョージ・ソロスも身体的な手掛かりを元に投資を行うことがあるようです。

身体的な手掛かりまでは、普通の人は得られないと思いますが、ある企業について投資をするかどうか
考えているときに、ふと不安を感じたことがある人は多いのではないでしょうか。

優秀な投資家はそういった不安を軽視せず、不安を感じた内容について、
徹底期に調べて、不安を不安のままで終わらせません。

論理的な行動をベースにしつつも、自分の感情にしっかりと耳を傾けることが、
成功にとっては重要です。

感想

脳の働きの観点から、投資に向き合った良書です。

内容が脳科学の観点からであること
翻訳本なので、日本語が読みにくいこと

から、少し読みにくい印象ではありますが、丁寧に読むことで多くのことが
得られます。

僕自身、投資をしていて自分の感情とどう向き合うべきなのか、悩むことが多々あります。
特に、目指している投資成績とどう向き合うのかということは悩みの種でしたが、
悩みとの向き合い方がわかり、とても勉強になりました!!