書評・感想

「とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法」 投資初心者にこそぜひ読んでほしい1冊 書評・感想017

資産運用本の1冊目は、チャーリー・ティエン著の「とびきり良い会社をほど良い価格で買う方法」です。

大した実力ではないのですが、趣味で株をやっているので、たまには資産運用に関する本も紹介していきたいと思います。

概要

パンローリング社から出版されている投資本で、投資初心者にこそ読んでほしい名著。

株式投資には様々な手法がありますが、その基本は「安く買って高く売ること」

しかし、本書では「安く買うこと」よりも「良い会社の株を買うこと」を重視しています。

良い会社であれば、「安く」なくても、ほどほどの値段で買えればOKというスタンスです。

良い会社を見つけるための方法論を幅広く集めた1冊になっており、株式投資初心者にぜひ読んでほしいです。

学んだこと

最も利益が上がる会社を買おうとしてはいけない

株式投資を行う際は、どの程度のリターンを求めるか、どの程度のリスクを許容するかによって、投資対象となる企業カテゴリーが決まります。

年率100%とか200%も値上がりする会社を狙うのであれば、相応のリスクをとる必要があります。

この本では、そういう爆発的な利益が得られる企業ではなく、長期間にわたり、継続的に利益が伸びていくような企業に投資することを推奨しています。

だいたい年率10%くらいのペースで利益が伸びているような会社です。

株価というものは、長い目で見ると、会社の利益に比例して上がっていきますので、安定的に利益が伸びている会社の株を買いましょう、ということです。

逆にいうと、毎年現れるスター選手のような会社(テーマ性がある、爆発的に利益が伸びる)は投資対象にならないので、大きな利益を得ることはできないかもしれません。

しかし、投資は複利効果を最大限活用した人が勝ちます。一時の爆発的な利益よりも長期間にわたる安定的な利益の方が価値があります。

「安く買う」ことの難しさ

投資の代表的な手法として、バリュー投資があります。

バリュー投資とは、ある基準で企業の価値を測定し、その価値よりも株価が安い場合に購入し、株価が上がるのを待つ戦略です。

「ある基準」と書いたのは、人によって何を基準にするかは異なるからです。

つまり「安く買う」ことに重点を置いた手法です。

この方法は、株価が安いとき(≒市場から見向きもされていない)に買う手法なので、辛抱強く待つことができる人にとっては、効果的な手法です。

辛抱強さが必要な分、バリュー投資を貫ける投資家は少なく、優位性がある手法です。

しかし、本書では、バリュー投資の問題点を、大きく2点述べています。

・機会損失が大きい
バリュー投資では、株価が自身が決めた基準を下回るまでひたすら待ちます。

市場が盛り上がって多くの人が利益を出すような相場では、投資対象となり得る会社はどんどん少なくなっていきます。

アベノミクスのように、誰でも買えば儲かるような相場では、株式を購入することは難しく、機会損失を被ります。
(骨のあるバリュー投資家から見ると、それは機会損失と呼ばないかもしれませんが)

それにより、ストレスがかかり、正しい行動をとれなくなるリスクがあります。

・売却にテクニックが必要
バリュー投資では、安い銘柄を購入します。

正確に言うと、
本来の価値よりも安い価格で購入
します。

この、本来の価値がくせもので、本来の価値は誰にもわかりません。

価値が無いから安いだけかもしれません。

バリュー投資はその価値の見極めが肝ですが、誰しも間違えることはあるため、価値が無い会社の株を買ってしまうことは避けられません。

そのようなただ安いだけの銘柄がポートフォリオに組み込まれてしまうため、適切なタイミングで売却をしないと、ポートフォリオ全体の価値が毀損してしまいます。

ただ単に安い銘柄は適切に売却し、価値がある銘柄はしっかり保有し続けるというバランスが極めて難しいですね。